連載コラム・欲しくて探して買ってみた:シルクスクリーン印刷のワークショップ

秋吉純子秋吉純子

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いつか大阪マラソンに出てみたいアタシですが、1日1000歩も歩かない運動力に加え、走るのがキライという決定的な理由があって、気分だけでもと毎年ボランティアで参加しています。数年前にはOGBS編集長を沿道整理しながらサポートしました(お礼はまだやけど)。

そんなアタシがつい、新年会で「今年はマラソンを走る」と口走ってしまいました。ゴール地点に並ぶタコ焼き屋台で思う存分食べ放題というマラソン大会があって、そう、タコ焼きにつられたのです。もう後には引けません。3月の大会本番までまだ練習期間もあるし、10キロならなんとかなるだろーなとナメております。友達には、5800円もの参加費を払うなら、真冬にそんなしんどい思いをしなくても、その金で街のタコ焼屋で死ぬほど食べられるのにとバカにされています。でも実はこのマラソン、仮装部門で優勝すると10万円の賞金が貰えるという一石二鳥な大会なのです!

そこで、参加メンバー3人で打ち合わせと称して呑みながら衣装をアレコレ考えます。仮装に賭ける気マンマン。ところが、意見がまとまらず。それならまずは練習用のTシャツを作って気分だけでも盛り上げていこうということに。ですがメンバー分のたった3枚のTシャツなんてオリジナル印刷したらべらぼうな金額になりそう。

お酒も飲んでないのに指がブルブル震えて……

そんな時、印刷会社が主催するシルクスクリーン体験があることを教えてもらいました。ここで作り方さえ習ったら、カッコいいTシャツがセルフで安く作れるやん♪

ウキウキで印刷したい写真画像を用意して、いざ参加です。

会場に入ると何やら作業している人がチラホラいて、なかなかの繁盛っぷり。そこは印刷会社が運営する店舗兼ワークスペースで、刷るための紙はもちろん、Tシャツやバッグなどが展示販売されています。作家さんの作品や文房具や書籍なども売られていて未体験のアタシにはどれもが珍しくキョロキョロしまくりです。

受付で画像の入ったUSBメモリを渡すと担当の女性がフォトショップで画像をモノクロにして濃淡を調整してくれました。モニターに渋く映し出される太陽の塔。今回のタコ焼きマラソンのルートが万博公園なので、完走の願いを込めて選んでみました。「左側をもう少し濃い目に」などの細かい調整にも対応してくれ、モノクロ部分を反転させて刷り上がりイメージの違いを比較しながら、版を作製してくれました。

①店内にはバッグやTシャツなどの印刷対象物とインクなどが揃っていて、ここから500円以内で好みのアイテムを選びます。

 

作業テーブルにつくと、平日の昼間なのに5名もの参加者が。時間になると愛想のいいスタッフから、500円以内の値札がついたバッグやポーチの中から好きなものを1つと、試し刷り用の紙、インクを選ぶよう指示され、みんなでぞろぞろとアイテムが並ぶ棚へと大移動です。参加者は年齢も性別もバラバラですが、

「トートバッグ、サイズやカラーが色々あって悩みますね」
「生地に印刷されたインクってボトルで見るのとイメージが違いますね」
「この生地に紫のインク、どう思います?」

と、女子高生みたいにキャピキャピしながら印刷素材を選んで製作開始です。

②ブロック状のパーツを使って四角いフレームを組みます。色もカラフルでレゴみたい。

③フレーム裏の溝部分に棒状のシリコンを差し込んでフィルム(版)を留めます。

フレームを組み立てて版をセットして、まずは紙に試し刷り。スキージーでインクを均等に伸ばしていくのですが、凄く緊張します。酒も飲んでないのに指がブルブル震えるのです。そーっと版を持ち上げてみるとあらステキ! ド~ンと太陽の塔が浮かび上がってるじゃありませんか! 周りを見るとお気に入りのアイドルや、自分のアート作品、妊婦さんが赤ちゃんのエコー写真を持ってきていたりと、各自が思い入れのある1枚に取り組んでいます。

公式グッズですか? と言いたいほどの出来映え

テスト刷りが終わったらいよいよ本番。試し刷りの用紙はA4だったのであたりをつけやすかったけど、トートバッグは39×35㎝と大型なので版を中心に置くか、はたまたちょっと下気味の方がバランスがいいのかと、位置設定だけなのに考えまくりです。悩んでいてもキリがなく、面倒臭くなってきて、ここでいいやとエイッと版を置くと、ありゃ! なんだか右肩あがりです。こらアカンと置き直そうとしましたが、すでに版がトートバッグに触れていて「汚れるからやめたほうがいい」とスタッフに止められました。で、

「さぁ、思い切って刷りましょう」と促され、周りに見守られながらインクを伸ばし、版を持ち上げてみると……。
「めっちゃカッコイイ!」と参加者さんがいっせいに褒め倒してくれるのです。
「ちょっと印刷が右肩あがりになっちゃったけど」と謙遜しながら見直すと、他の作品よりも断然、自分の作品がイイと思えてきちゃうのです。

④版の上部にインクを置き、スキージーで押しつけるように均等にインクを伸ばして刷ります。

バッグをグレイに、インクをスモーキーなブルーに選択したのもドンピシャ。太陽の塔の公式グッズですか? というぐらい自画自賛の出来。しかーし! アタシのだけが出来がいいのかと思いきや、他の参加者のどの作品を見てもなんだか売り物みたいでカッコイイ。あら、これはどこかで体験した感覚かも。そうそう、同じ内容の企画書なのに手書きよりパソコンで出力した企画書の方が賢そうで内容が詰まってそうに見えるあの現象!(いえいえ、そんな錯覚ではありません)。参加者同士で褒め合って記念撮影して、最後に大きなアイロンプレス機でインクを定着して解散です。

⑥刷り上がりはとってもカッコイイ! グレーのバッグにスモーキーな青いインクで刷りました。本来の目的はマラソン練習Tシャツだったので本当はTシャツに刷りたかったけど、上限500円を超えちゃうのでトートバッグを選択。これはこれで普段使いしたいバッグかも。

楽しかったぁ……と片付けていると、テーブルの向こうからアタシに向かって手を振る女性が。なんと昔の友人がシルク印刷の作業をしているのです! 10年ぶりに会うその友人、バイト先で販売するショップバッグを朝から100個ほど印刷していたそうなのです。

 

このワークスペースは、趣味や遊びで作品を作る以外にも販売用のオリジナル商品の印刷が出来ることに改めて気付きました。ということはうちの店でもお客さんのオリジナル名入れ商品を作って売ればいい。

 

印刷する素材はここにあるから在庫も不要、注文が入ったら版のデータだけ作って刷りに来たらいいというワケ。しかもそれって凄く粗利が高い商品になる……当初の仮装マラソンで10万円ゲットの目的そっちのけで、脳内でパチパチと消えることなく算盤が弾かれ続けたのでした。

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記者プロフィール

秋吉純子
秋吉純子
LEDサイン販売会社に在職中、飲食・物販など300にのぼる業種へ取材訪問して販促を実施。その後、マーケティング会社でマイカル系GMSの新店舗出店前調査や、アイデア雑貨メーカーで企画開発、ネット事業を担当。女性目線で消費者の生の意見を吸い上げ、商品開発や既存商品の改革など行なってきた。現在は、ホールインワンの記念品販売サイト「アーカイブプラス」を運営。一般社団法人イーコマース事業協会・元副会長。趣味は廃墟・工場めぐり、ビール、サイクリング。モットー「酒は世界の共通語」。 http://www.holeinone-golf.net/