連載コラム・欲しくて探して買ってみた:オリジナル加工のまな板

秋吉純子秋吉純子

オリジナル加工のまな板

FMラジオを聞きながら仕事をする毎日。聞き流しているだけなのに、その日に限ってあるロックバンドの「ロゴ入りまな板プレゼント。応募は飲食店の方のみとなってます!」という告知が耳に入ってきました。

バンド名が刻印されたまな板とは!?

「え? まな板?」一瞬空耳かと聞き返してしまいました。

なぜまな板? しかもロックバンドのロゴ入り? 曲にもミュージシャンにも、1ミリもまな板なんてかすってもいないのにまな板!? なんともマニアックで募集人数の狭い賞品でしょう。

ラジオなので妄想するしかなく、バンド名が刻印されたまな板と呟けども、鳥羽一郎が板場に立つ姿しか思い浮かばない始末。気になって気になって、このままでは仕事が手につきそうにありません。

こんな時にはグーグル先生の画像検索のお出ましです。

〈まな板 ロゴ入り〉で検索してみましたが、なんだか関係ない画像がゾロゾロ出てきて探しにくくてしかたありません。速攻でキーワードチェンジ! オーダーものを検索する時にこれを入れれば、ほぼそれらしき商品が見つかる〈名入れ〉に変更して再度検索すると、ハイ大正解! 裏切ることなく出てきます。

プレゼント用のまな板ならやっぱり檜や桐あたりよね~と、さらにぽちっと検索。「高っ!」木にこだわるとグーンとお値段アップです。「リスナーへのプレゼントでこの値段はないやろ。ええとこ4000円ぐらいやな」。

勝手にラジオ局の懐具合を判断して、木へのこだわりを捨て「バンドなら、普通のじゃなくちょっと変わった形を選ぶのでは?」と推測し変わりダネを捜します。

ふと「アタシ、なんでこんなに情熱的にまな板探してるんやろ。欲しいのか? ロゴが入ったまな板が欲しいのか?」と自問自答してみましたが答えは出ず、「バンドロゴが入ってそうな4000円程度の変わったまな板」を捜し続けます。

月末のクソ忙しい中、バカじゃないのかと思いながらも見つけるまでは止めれそうにありません。

カッティングボードと呼ばれる3000円前後の商品は数点見つけましたが、それら複数の店に電話するも「名前しか入りません」とつれない返事ばかり。

バンドのロゴなどおいそれと言い出せません。ないのか、イカしたバンドがギター代わりに小脇に抱えてそうなまな板は!

そもそも自分はロゴ入りまな板が欲しかったのか……

すると、ちょっと変わったデザインのまな板発見です! 材質はなんと桐。値段も手頃じゃあーりませんか!! でもページには〈かわいいお名前、入ります〉との記載。なんやねん、かわいい名前って。

キラキラネームじゃなく、ロックなバンドの名前なのよ! と叫びそうになりながら電話をするも営業時間外。舌打ちしながらメールで問い合わせです。

すると翌日速攻で返事があり、データさえ送ればプラス500円で刻印してくれるとのこと。天に向かって大きくガッツポーズです。

しかしここで問題に気が付きました。アタシはラジオで耳にした〈バンドのロゴ入りまな板〉がどんなものか見たかっただけで、「なるほどこんな感じか」とイメージさえできればよかったのです。

実際、そいつらがどんなバンドか、ロゴはおろかロックなのかジャズなのかすら知りません。

しかし、こんな思いまでして探し当てたロゴ入りまな板。ここで作らないと男じゃありません。ええ、ええ。全然必要じゃありませんが、作ろうじゃないの! と、苦し紛れに自分なりのロゴを考えて入稿することにしました。

結構大きなサイズで17×9・8㎝。「ほんまにこれをプラス500円で作ってくれるの?」と半信半疑ながらデータ送信したところ「ステキなロゴですね! 心をこめて焼き入れさせていただきます」と嬉しいコメント付きのメールが戻ってきたのです。

なんだかテンションが上がってきたー。

まるで遠距離恋愛の彼と会う日を指折り数えるように到着を待ちますワ。

想像よりカッコいい、久しぶりの大ヒット!

データを送ってから待つこと10日あまり。バリバリと梱包を破り開けて見ると……想像よりずっとカッコいいやん! 久しぶりの大ヒット!

桐の色目と焼いた色のコントラストが絶妙な上に、まな板についてる持ち手風のデザインもいい感じ。まな板としてもいいけど、なんか別の使い方もできそう。

うーんと頭を捻り、グッドアイデアが浮かびました。居酒屋風にお刺身を盛ったり、小洒落たオードブルなんかを飾ると、それだけで一気にブルジョア度アップです。

オリジナルまな板正面

オリジナルまな板アップ

あまりに嬉しくて、お店にお礼のメールを書いてしまいました。すると、これまた速攻で返事が戻ってきて、「このサイズの焼き入れは初めての試みでした」とのこと。

改めてお店のサイトを見てみると、確かにどこを探してもオリジナル画像が入れられるとは書いてない。もったいない! 「かわいい名入れができる」ではハートに響かないでしょ。

飲食店のロゴやオリジナルのデザインが焼き印できると書かれていたら「欲しい!」と思う人は多いと思うんやけど。

ただ、「ロゴ入りまな板」という需要がどこにあるかがちょっと不安。なので他にも、オリジナルの画像を焼き印しているまな板を探してみると……1店舗だけ見つけました。

このイラストがえらくステキ。でも、金額もステキにお高く手が出ない感じです。自分で買うのはキツいなぁ。ということは逆にギフトか?

さらに色々調べてみたら、母の日のプレゼントにと勧めているサイトが多く出てきました。「なるほど、オカンの名前を入れて贈るのか」。それなら思い出にも残るし、値段もいい感じかも。

まな板が欲しくなるイメージ写真が欲しい

今回購入した名入れまな板。アタシ的には大満足の商品が届いたけど、名入れ以外にもお店側で絵柄を何パターンか用意しておいたり、まな板以外の使い方を提案するなどやり方次第でまだまだ売れる気がしました。

あと、気がついたことと言えば、まな板の写真はあるけど、イメージ写真がほとんどないことかな。どんな書体ができるとかそんなことばっかり。

女性が使っているようなイメージ写真や料理と合わせた写真、実際のまな板の作例写真など、欲しくもないまな板を欲しいって思わせてしまうようなイメージ写真を載せて欲しいなぁ。

記者プロフィール

秋吉純子
秋吉純子
LEDサイン販売会社に在職中、飲食・物販など300にのぼる業種へ取材訪問して販促を実施。その後、マーケティング会社でマイカル系GMSの新店舗出店前調査や、アイデア雑貨メーカーで企画開発、ネット事業を担当。女性目線で消費者の生の意見を吸い上げ、商品開発や既存商品の改革など行なってきた。現在は、ホールインワンの記念品販売サイト「アーカイブプラス」を運営。一般社団法人イーコマース事業協会・元副会長。趣味は廃墟・工場めぐり、ビール、サイクリング。モットー「酒は世界の共通語」。 http://www.holeinone-golf.net/