「やっぱりパーティっぽい感じかなー」。
確か、ビール片手に編集長がつぶやいてたよなー。
連載の打ち合わせという名の呑み会で、まともにネタが決まったためしがない。そして結局、何に決まったか思い出せないのが酔っ払いの恐ろしさ。
おぼろげに【パーティでみんなに配れる名入れもの】というキーワードをたぐり寄せるも、それって一体どんなもの？ 何もイメージできないまま締切りだけがどんどん近づき、さすがに焦ってきました。
目次
落花生を名刺代わりに配るの？
困った時は神だのみ。神無月（11月）に出雲へ出向くと神様が全国からワサワサ集まっててめっちゃエエでと言われ、島根の友人のおつまみ屋さんを尋ねていたところだったので、
「おたくの店で、名入れできて、みんなにプレゼントできそうなもの売ってる？」
「うーん…のしいか？ もしくはするめ？」
「それイイやん！ おたくで食品プリントできるの？」
「いや、できたら面白いなー」
「それは希望やろーがアホ！ じゃ、他になんか名入れできるおつまみ知らない？」
「落花生にメッセージを印刷したのがネットで売れてるらしいよ」
「あんな小さい落花生にメッセージ入れてどうするのかな？」
「なんか名刺代わりに配るらしい」
「落花生を!? あんな指先でクチュって一発で潰れてまうもんを!?」
家の２階からバラ撒くってどう？
名刺代わりにという使い方はいまいちピンとこない。もっと違う、面白い使い方があるんじゃないかと考えていたところ、ハイ閃いちゃいました。アタシ天才！
実は我が家、まさにリフォームの真っ最中で、出来上がったら親族を招いてお披露目会をしようって話になっていたのです。
リフォームの目玉は２階の１室をぶち抜きリビングを吹き抜けにすること。
だから、その吹き抜けの２階から感謝のメッセージが入った落花生を節分の横綱ばりに、下のリビングにいる親族に向かってバラ撒くってどう？
グッドアイデアじゃあーりませんか！
なぜにお披露目の場で豆まきするかは不明だけど、イメージが出来上がってしまったので速攻でお買い物です。
1粒78円？ 金銭感覚がおかしくなる
グーグルに【落花生 プリント】と入力して検索すると、速攻で見つかりました。名刺代わりだけじゃなく、販促グッズとして配ったり、飲食店で箸置き代わりに使うって提案も書いてある。
なるほどねーと見ていると、目玉が飛び出すほどの衝撃が！
「１００粒で４８６０円!?」。
ちょっと待って、１粒いくらよ？ え、49円!? ただの落花生１粒が!?
２粒でミネラルウォーター買えるやん！
７粒で缶ビールやで！
ほぼ5000円のピーナッツなんて編集長が経費として認めてくれるのか心配になって、もっとお手頃なものはないかしらと店舗内検索すると、ありました！ 12粒で２１３８円。
これならあの渋ちん編集長もＯＫやろ。
ただし、1個あたりの単価は１粒78円と、恐ろしいほど跳ね上がってるけど。
昨日、デパートでめちゃくちゃ悩んで買うのを止めたゴディバのチョコレートですら１粒２３１円やのに。なにやら自分の中の貨幣価値がおかしくなってきました。
でもこれも仕事。アタシの財布が痛むわけじゃないしと、震える指でキーボードを叩きお買い物スタートです。
メッセージを考える作業が楽しい
注文方法はめちゃ簡単。
表裏で各８文字×２行で好きなメッセージが入れられます。
16文字全部を入れると文字が小さくなって読みにくくなると予想して文字数は短めに。
この、メッセージを考える作業が楽しい～。自宅の２階から１階の親族に向かって撒く落花生に、なんて書いてあったら楽しんでもらえるやろー。
もっといろんなメッセージが入れられると嬉しいのに……なんて考えながら備考欄にメッセージを入力してポチッと送信すればお買い物完了です。
到着まで約1週間。商品が届くのを待っている間も楽しいよなー。
思いのほか立派な商品が届いた！
そうこう言っているうちに、思いのほか早く商品が届きました。
土日を挟んで発注から約２営業日での出荷です。
ダンボールの中からは、綺麗なガラス瓶に入った落花生が出て来ました。どんな形で届くのかと思っていたけど想像より立派です。
きれいにラッピングされた瓶。
恐らくホームページには瓶詰めされた写真がちゃんと載っていたはずなのに「オリジナルメッセージを考える」という使命に燃える私は全く気づいてなかったみたい。
うちのサイトでも「ラッピングってどうなっているの？」とよくお客から聞かれて、画像を載せてるのになんで分からないのか疑問だったけど、実際に自分が買う立場だと結構サイトを斜め読みしてるから気が付かない。ちょっと反省です。
落花生に文字がキレイに入っている
で、肝心の落花生のメッセージはというと、はい入ってます。
レーザー加工で、キレイに彫ってあります。
「落花生にもこんなに綺麗に文字が入るんや」とちょっと感動です。
しかーし！ 分かってはいたけど12粒。あまりにも少なすぎる。
瓶に入っていた時はステキな見た目だったけど、たった12粒を２階から撒いて、我が家のお披露目会は果たして盛り上がるんやろうか……。
父親の、「こんなちょっとやったらやらんほうがマシや！ メッセージなんか入ってなくてかまへんから、もっと落花生ジャンジャン撒かんかい！」と、そもそもの感謝のメッセージを全否定する怒声が聞こえてきそう。
嗚呼、大後悔。やっぱりケチらず１００粒入を買えばよかった。
そしたらきっと楽しいお披露目会ができたのに。悔やんでも仕方がないので豆まきはあきらめて、お食事会の箸置きに使うことにします。
今回買い物して、落花生にメッセージを入れるってアイデアの面白さと容器の力を思い知らされました。
大袋に入って売られている８００円やそこらのものが、メッセージを入れて瓶詰めするだけで何十倍もの価格になってギフトとして使えるなんて。そう思ったら周りにあるものすべてがチャンス商材に見えてきた。
うちで販売してる商材も、ラッピングやケースを見直してみたら、もっと高額でもっといいものに演出できるのかも。ちょっとなにか出来ないか、この週末探してみよっと。
