ホログラム、透かし、マイクロ文字……印刷物にセキュリティを高める「偽造防止印刷」って何?

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偽造防止(コピーガード)のイメージ写真
百貨店やショッピングモール、家電量販店などで利用できるギフトカード。

オモテ面を眺めていると、何かがキラリと光りました。「ホログラム」です。2種類のマークが縦に連なって配置されていて、角度を変えるとマークのデザインが白黒に反転するという仕掛けです。

他にも、ギフトカードには様々な加工が施されています。水平に近い角度で見ると右下の部分に「1000」の金額が浮き出たり、上下の端がうっすらとエンボス加工になっていたり……。ギフトカードは現金代わりに使える金券なので、不正にコピーができない工夫が盛り込まれています。

 

近年は家庭用のプリンターやスキャナーの性能が上がったことで、見た目がそっくりな偽造物を使った犯罪が増えています。偽造されるとそれ自体の価値に加え、企業イメージやブランドイメージも損なう恐れがあります。

そこで、金券や契約書などの重要な文書を発行する企業・団体にとって、偽造防止(コピーガード)印刷は有効な対策となります。

とはいえ専門性が高いため、いざ発注する際は「どうやって作るの?」「どんな種類があるの?」「難しそう」と疑問に思う人も多いはず。
そこでこの記事は、偽造防止印刷の種類や活用方法、業者への発注ポイントなどを解説します。

 

偽造防止の方法4種類をチェック

押さえておきたい、偽造防止印刷の方法は4種類

偽造防止印刷は、偽造を未然に防ぐ役割だけではありません。印刷物に特殊なデザインや加工などを施すことで、もし偽造された場合、その印刷物を発見しやすくする効果もあります。

ひと口に偽造防止印刷と言っても様々な方法があります。代表的なものを紹介します。

 

・複写防止印刷
コピーをとると「禁複写」「サンプル」などの隠し文字や地紋が浮かび上がるというもの。
印刷物には大小のドットで文字や地紋があらかじめ構成されていて、コピーやスキャンをすると、その埋め込まれた文字列が目立って出力される仕組みです。住民票の台紙として使われていることでもおなじみ。

・ホログラム加工
見る角度によって画像や発色が変化する箔を、印刷物に転写したもの。また、あらかじめホログラム加工が施された用紙を使う場合もあります。
コピー機やスキャナーで複製しても、変化する光の発色は再現できません。ホログラムにナンバリング(連番の数字を印刷する)などを施せば、偽造防止効果をさらに高めることができます。

・マイクロ文字
肉眼では確認できない極小文字を、点線や図柄の中に入れ込む印刷手法。
非常に小さな文字のため、コピー機で出力すると文字が潰れて再現できません。拡大コピーをしても、くっきりと文字を表示するのが難しいほど高度な技術です。ルーペなどを使って偽造判定をおこないます。

日本の紙幣イメージ
この加工を活用した、もっとも身近なツールが日本の紙幣です。券面のいたるところに「NIPPONGINKO」のマイクロ文字が印刷されています。

・透かし印刷
無色の特殊インクを用いることで、光にかざすと文字や模様が透けて見える印刷手法。コピー機やスキャナーにも反応しません。マイクロ文字と同様、紙幣にも使われており、傾けると、表面には額面数字の「10000」、「5000」、「1000」、「2000」が、裏面には「NIPPON」の文字が浮かび上がって見えます。

 

その他、ブラックライトを照射すると隠れていた文字や模様が浮かび上がる「蛍光インク印刷」や、印刷面が真珠のように輝く「パールインク印刷」などの製法があります。

 

ギフトカードのイメージ

偽造防止印刷のニーズは金券、領収書、入場チケット

コピーガードによる加工は、様々な印刷物に活用されています。例えば、

 

・金券(商品券、割引券、乗り物の回数券、スポーツクラブやエステサロンの回数券、クーポン券)

・自治体が発行する書類(戸籍謄本、住民票、印鑑証明書など)

・保険証券

・各種文書(契約書、領収書、保証書、鑑定書、許可証、機密文書など)

・入場チケット、駐車券

 

……など。最近はプライバシー保護の意識が高まり、病院で発行する書類(領収証、処方箋、診断書)にコピーガードが施されたものも増えています。

また全国の商店街では、地域で使える商品券のニーズが高まっています。都内の印刷業者によると「消費税の増税を見据えて、各地の商店街で需要が伸びている」そうです。

商品券は金券の一種なので、コピーガード加工による偽造防止対策が必要となります。商品券を製作する際は、ここで紹介した加工方法を参考にしてください。

 

セキュリティを高めるイメージ写真

複数の製法を組み合わせてセキュリティを高めるのが、偽造防止のセオリー

偽造防止印刷をおこなう場合、特定の加工方法に限定するのではなく、複数の加工技術を組み合わせて、偽造防止を高めるのが一般的です。日本の紙幣の場合、9パターンもの偽造防止を施すことで、セキュリティを高めています。

 

コピーガードの印刷加工は従来の印刷とは違い、より特殊な技術が必要となります。そのため専門の印刷業者に加工を依頼しましょう。

例えば複写防止用紙を使った印刷の場合、コピーやスキャンをした際の隠し文字の出現性や視認性の高さが求められます。これを実現するには、文字を構成する大小のドットがいかに最適に組まれているかがポイント。加工技術のノウハウを持った印刷業者に依頼すると安心です。

また、印刷業者が様々な偽造防止印刷に対応していることも、業者選びに欠かせないポイントです。
先述のとおり、偽造防止の印刷物を作る際は、複数の技術を組み合わせてセキュリティを高めるのがセオリー。ひと通りの偽造防止印刷をおこなっている印刷業者なら、いろいろなニーズに応えてくれます。

 

印刷業者によっては「マイクロ文字が得意」「透かし印刷の精度が高い」など、得意とする加工技術が異なります。どの業者があなたのニーズに合っているかを吟味して、印刷物に適した偽造防止をおこないましょう。

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記者プロフィール

記者1号
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ハンコとスタンプの専門雑誌「現代印章」と、オリジナルグッズを作る業者向け専門誌「OGBSマガジン」の記者。日本全国どこでも現れる。オリジナルグッズを作りたいと考えている人に役立つ知識を紹介するため、日々邁進中。趣味は寺社・仏閣めぐり。