インターネットで文具店を営む友人が実店舗をオープン。
お祝いを兼ねて足を運び「ご祝儀代わりになんか買ってあげよう」と店内を物色していると、ピーンと立ってしまいました。
オーダグッズアンテナが!この連載を始めてからというもの、毎回ネタに四苦八苦して夜うなされることが多くなり、どうやら無意識のうちにネタを探すクセがついたようです。
ええ、ネタ帳を持ち歩く芸人ばりの貪欲さです。
目次
ハンコは無理だからオリジナル生地にしてみよう
私が目を留めたのはスティックのりがデザインされたハンコ。
さすが文具屋!
他にも、目玉クリップやコンパス、インク瓶など文房具をモチーフにしたハンコがあって、どれもアタシ好みなのです。
「これオリジナルで作れるの?」
「もちろん。1つから作れるよ。捺してみるともっとイイ感じだよ」
……と、笑顔でノートを見せてくれる友人。今月のネタはオリジナルハンコや!
早々とネタが決定しウキウキしていたのですが大きな落とし穴が。はい。前回ハンコネタやったばかりでした……首が折れるかと思うほどうなだれてしまいました。
しかーし、このスティックのりの愛らしさ、どうにかして皆様にお伝えしなくてはとムダな使命感がメラメラと湧いてしまったのです(なにかこの柄が活かせるネタないかな?)。
困った時の友頼み。LINEグループで問いかけてみると、手芸が趣味の友人が「オリジナル生地をオーダーしてトートバッグを作ったら?
私も子どもの描いた絵で作ったことがある」と書き込んできたのです。
生地にオリジナルの絵柄が印刷できるなんて知らなかったけど、それ頂き! アタシもスティックのりの絵で生地を作る! 俄然やる気が出てきました。ところが、どこの店で買ったか訊ねると、
「ごめん。スマホが水没しちゃって分からない」って。神様はそこまで親切じゃないってことやね。そうとなれば自力で探してやろうじゃないの。
こんなサイトは面倒だから2秒で離脱よ
パソコンで【オリジナル 生地】でグーグル検索開始。おお、想像よりもオリジナルの生地を作ってくれる店が多くてビックリ!
上から順に値ごろ感をチェックすると、1軒目はプリント代金と生地代が別提示で総額がひと目でわからず大混乱のお店。じっくりと読むと、〔1㎡あたりプリント代が6000円。それとは別に最低でも幅100×長さ50㎝で3000円する生地の購入が必要〕。
てことは50㎝の布が9000円! 高くてお話になりません。
気をとり直して次のお店をクリック。このお店はオリジナルの生地が作れるだけではなく、デザインを登録すれば販売もできるというサイトのようです。
「ええやん。テキスタイルデザイナーデビューで大儲けや♪」とウキウキしながらページを進んで行くものの、どうやってデザインを登録したらいいかが全くわからない。
悪態づきながら調べると、試しにデザインを登録するだけでもまず会員登録が必要な上、登録後のログインは1回1回メールでログイン用URLが送られてきて、そこから入らないと何も出来ないというクソ面倒くさい構造でした。
こんなサイト、仕事じゃなけりゃ2秒で離脱ヨ。
価格はどんなプリントでも一律生地代金のみの明朗価格。幅144×長さ100㎝のテトロン帆布が4000円。
1軒目と比べたらお手頃だけど、とにかく毎回面倒なログイン作業が肌に合わないのでパス。
値段も安いので2枚も注文しちゃいました
3軒目の店は、生地写真が非常に美しいのが印象的で101種類の生地が用意されたお店でした。
洋服もそうですが、ゴチャゴチャ説明が書いてあるよりインパクトのあるキレイな画像がある方が「欲しい!」と買い物スイッチが刺激されます。
価格を2軒目の店と同じ帆布で比較すると、幅100×長さ50㎝で2000円。
生地の材質や厚みなどは異なるようですが、とにかく画像がきれいなのでこちらの生地のほうが良く見えてしまい購入決定です。
絵柄は文具屋の友人作のスティックのりハンコをスキャナーで取り込み、生地サイズにデザイン。後はその画像を登録するだけでOKです。なんて簡単! プレビュー画面でデザインを確認するとなんともカッコいい仕上がりで、もう惚れ惚れです。
値段も安いので、少し長めに発注して文具屋の友人にもプレゼントしようと〔2枚〕注文しました。しかーし、これが大失敗というオチは後ほど。
購入したのは何とロンドンにある海外サイトから
購入してから気がついたのですがこのサイト、なんとロンドンにある海外サイトだったのです。
よくある海外サイトは日本語が怪しかったり、デザインが異国っぽかったりするのですがスタイリシュで全然不安や違和感を感じませんでした。さすがロンドン。しかも、注文から約1週間という到着の早さにビックリ!
ウキウキと梱包を開け思わず歓喜の声を漏らしてしまいました。「スティックのり、めっちゃええやん!」と、自画自賛していたら、
あら? あららら!?
なんだか布が2枚入っているじゃありませんか?
「長さ50㎝を〔2つ〕注文したんだから長さ100㎝の生地が届くんじゃないの?」いいえ不正解。完全なアタシの勘違い。その場合は長さの入力欄に〔100〕と打ち込まねばならなかったみたいです。
後でサイトを確認してみると、自分の欲しい幅と長さが選べる仕様になっていて、どうやらアタシが指示した幅100×長さ50㎝はデフォルト設定だったのです。それならそうと〔希望の寸法を入力して下さい〕って説明入れといてヨ!
金額も、幅と長さを入力すれば自動で表示されるシステムで、試しに2軒目の店と同じ長さを入力したら1760円も割高になっていて(生地が違う、きっと違う、そう、アタシが買った生地のほうが高級なはず)と呪文のように呟いて気を鎮めました。
仕上がりはいいけど敗北感が……
さらにもう一つグチらせてもらうと、小さな登録画像で見た時はいい感じだったのに、幅1mにレイアウトされたスティックのりはデカイ感が否めません。
ま、これはどこのサイトでデザインしても感じたことなんでしょうが、生地の大きさがイメージできなかったアタシの失態です。
(でもでも、悪くはない、うん、仕上がりはいい)呪文を唱えながらも、なぜか少し敗北感が……。
オリジナルの生地を作るというのは非常に面白かったし、今回を教訓に生地の幅や長さを考慮して、次回はもっと小ぶりにデザインして再挑戦してやろうっと。