カギの見分け方は? ディンプルって何? 「合カギ」を作る前に知っておきたいマメ知識

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カギをカギ穴に差し込むイメージ

別のマンションに引っ越した、新しく家を買った、車を買った、会社を興した、店をオープンした……。

こういう時に必ず必要になるのが「合カギ」。元カギ(純正キー)の劣化や紛失を防ぐために、複製したものです。また会社の場合、従業員に玄関の合カギを持たせるなどの用途もあります。
合カギは専門店をはじめ、ホームセンター、ハンコ屋、リペアショップなどで作ることができます。

このコラムでは、合カギの基本的な知識について紹介します。「これから合カギを作りたい」という方も、そうでない方も、マメ知識として役立つはず。ぜひご覧ください。

 

純正キーと合カギの違いを考える女性

純正キーと合カギってどうやって見分けるの?

そもそもカギとは、錠前とセットになったオリジナルの「純正キー」(元カギ)と、その純正キーを複製した「合カギ」の2つに分類されます。

純正キーは「MIWA」や「GOAL」などの錠前メーカーが、合カギは「フキ」や「クローバー」などの合カギメーカーがそれぞれ製造しています。
 

純正キーと合カギ。一見見分けがつかないように思いますが、簡単に区別する方法があります。それは「カギの頭部分を見比べること」。
純正キーには錠前メーカーや自動車メーカーのロゴやマークが入ったものと、カギを区別するキーナンバーが刻印されています。
例えば家や会社の純正キーの場合、「MIWA」「GOAL」「SHOWA」といったロゴが入っていることが多いです。

 

カギの集合イメージ

合カギは商品番号+文字・マーク入りで構成されている

一方、合カギにはその元となる「キーブランク」(カギ山が削られていない加工前のキーのこと。ブランクキーとも呼ばれます)の商品番号(アルファベットと3桁の数字の組み合わせが多い)と、どこの合カギメーカーかを示す文字やマークが入っているのが特徴。

例えば「TLH」「FUKI」「GSS」などの文字が刻印されていれば、それらは合カギです。

それを踏まえて下の写真を見ると、どれが純正キーか合カギか分かりますか?

純正キーと合カギの説明

1はMIWAの純正キー、2はフキのキーブランク(TLHはフキを示す型番)。3は、その2を加工した合カギとなります。

 

黒板に書いたシリンダーとディンプルの文字

代表的な合カギはシリンダータイプとディンプルタイプ

合カギと一口に言っても、その種類は様々。ドア(住宅用、事務所用)や乗用車、バイク、自転車、金庫、ロッカー、倉庫のシャッター、机の引き出し……などによって合カギの形状は異なります。

現在、世の中に出回っている合カギは数千種類とも言われています。これらのうち、住宅や事務所などで使われている代表的なカギは次の2点です。

 

1、シリンダーキー(ギザギザキー)
ノコギリ刃のようなギザギザの切れ込みが入ったカギで、住宅などで普及率が高い。片側にギザギザが入っているカギは主に「ピンシリンダー」、両側にギザギザがあるものは主に「ディスクシリンダー」と呼ばれる。ギザギザが少ない、または段差が少ないほど防犯性が弱い。

2、ディンプルキー
カギの表面と裏面に窪みがついたもの。鍵穴に差し込み、錠のシリンダー内に設けられたピンがこの凹みにピタリと収まれば、錠が開く仕組み。シリンダーキーよりもピンが読み取りにくく、1億以上ものパターンがあるため、防犯性が高い。上下のどの向きからでも鍵穴に入り、開閉できるリバーシブルタイプもある。

 

カギを持つ男性のイメージ

合カギから合カギを作ってもいいの?

実際に合カギを作ってもらう時、できるだけ「合カギから合カギ(孫カギ)を作る」のは避けましょう。
カギ山の誤差を出さずに複製するには、できるだけ純正キーを基に合カギを作るのがベター。カギ山のズレが生じてしまうと、カギとして使用できないことがあるからです。
もし、お持ちのカギが純正キーか合カギか分からない場合は、先ほど紹介した見分け方でチェックしてみてください。

 

よく街中で、合カギをむきだしのまま腰からぶら下げている人を見かけますが、実はとても危険なこと。
合カギに刻印された番号をこっそり読み取り、複製する悪質な事件も発生しています。合カギはキーカバーの中に入れて保管するなど、普段から自己管理を徹底しましょう。
 

もしお持ちのカギが「鍵穴に差し込みにくい」、「施錠や開錠がしにくい」ときは、カギの汚れが原因かもしれません。
まずはカギに付着しているホコリや汚れを、古い歯ブラシなどを使って取り除きます。特に凹凸のあるディンプルキーは汚れが付きやすいので、こまめに掃除することがおすすめです。

 

鍵穴も汚れが溜まりやすいポイント。掃除機などで鍵穴に溜まったホコリを取り除いてから、鍵穴専用の潤滑油をスプレーして、中の滑りをよくします。これによりカギを差し込んだときの引っ掛かりを解消することができます。
カギの状態が良くないまま使い続けると、カギや鍵穴が劣化して、場合によってはドアノブの交換が必要になることも……。そうなる前に定期的なメンテナンスをしてあげましょう。

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記者プロフィール

記者1号
記者1号
ハンコとスタンプの専門雑誌「現代印章」と、オリジナルグッズを作る業者向け専門誌「OGBSマガジン」の記者。日本全国どこでも現れる。オリジナルグッズを作りたいと考えている人に役立つ知識を紹介するため、日々邁進中。趣味は寺社・仏閣めぐり。