「Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation」。これを略して「LASER」(レーザー)と呼びます。
Light Amplification by Stimulated Emission of Radiationは「放射の誘導放出による光増幅」という意味ですが、簡単に言えば「共振器を用いて人工的に増幅され、指向性や収束性に優れた光」のことです。
会議や講義で当たり前のように使われている「レーザーポインター」を思い出してください。遠い距離からでもピンポイントで指定した箇所に光を当てることができています。これはレーザーが、「指向性、収束性に優れた光」だからです。
見えるレーザー、見えないレーザーがあるってホント?
映画などでは宇宙戦争などでレーザービームをよく見ますが、あれは全て目に見えるレーザーです。
しかし、レーザーの中には「目に見えない」種類もあります。その理由は、波長の違いによるものです。
レーザーを波長の違いで分類すると、
・赤外線レーザー
・可視光線レーザー
・紫外線レーザー
・X線レーザー
です。レーザーポインターは、「可視光線レーザー」を使っているので、見ることができます。
レーザーを波長ではなく、「媒体」によって分類する場合もあります。
「媒体」とは誘導放出を起こす物質のことで、固体、液体、ガス、半導体、ファイバーなど様々な種類があります。
オリジナルグッズを作るショップや業者が一番多く使っているのは、「CO2レーザー」と呼ばれるガスレーザーの1つで、炭酸ガスレーザーとも呼ばれます。
主に木やアクリルを彫刻したり切断する用途に使われることが多く、レーザー波長は10600nmの赤外光で目では見えません。
実際にレーザー加工している場面を見ても、加工している素材の表面が少し光って見える程度で、レーザーそのものは全く見えません。
CO2レーザーのレーザー発振管内にはCO2(二酸化炭素)ガス以外に、N2(窒素)やHe(ヘリウム)が規定量配合され、完全密閉状態で封入されています。これを「封じ切りタイプ」と呼びます。
金属に彫刻できる「ファイバーレーザー」「YAGレーザー」「YVO4レーザー」とは?
他にもオリジナルグッズ製造業者の中で人気が高いのは、固体レーザーに分類される「YAGレーザー」、「YVO4レーザー」、「ファイバーレーザー」です。
これらは金属を彫刻したり、マーキングできることが特長です。
金属への加工は低出力のCO2レーザーでは難しいため、「YAGレーザー」、「YVO4レーザー」、「ファイバーレーザー」が重宝されています。
レーザー波長は、1064nmの近赤外光。YAGGとは、Y(イットリウム)、A(アルミニウム)、G(ガーネット)の略。高出力で金属の切断ができる工業用もあります。
YVO4レーザーはより小さい文字や加工などの精細加工用途で使用されることが多いようです。
レーザー波長は、YAGと同じ1064nm。YVO4は、Y(イットリウム)、V(バナジウム)、O4(オキサイド)または、Y(イットリウム)、VO4(バナデート)の略です。
レーザー加工機の種類によって、加工できるものと加工できないものがある
レーザーの種類によってそれぞれ彫刻、マーキング、切断など、加工できる素材に違いがあります。下の表はその一例なので、レーザー加工時の参考にしてください。
ただし、CO2レーザーであっても超高出力であれば、鉄やステンレスなどの金属を切断することができるので、一概にレーザーの種別だけで判断してはいけません。
ちなみに、鉄を切断するほどの超高出力のCO2レーザー加工機は、軽く1000万円を超えるほど高価な機械です。看板業者などで導入している場合があるので、知り合いがいるなら1度見せてもらうといいでしょう。
また、上表はあくまでも目安です。
レーザー加工時の出力や速度によって仕上がりが大きく変わるので、実際の加工時は注意が必要です。
レーザー加工機のメーカーやディーラーに適正な数値を教えてもらうことはもちろんですが、自分で経験を積み上げることで、素材によってレーザーの出力と速度を調整できるようになれば、加工の幅が広がります。
是非、様々なレーザー加工に挑戦してみて下さい。