オリジナルグッズを注文する時、作る時に欠かせない知的財産権の知識

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知的財産権の知識

知的財産権って何に対するどんな権利?

発明や創作によって生み出されたものを、発明者(創作者)の財産として一定の期間保護する権利のことを知的財産権といいます。物(有体物)ではなくコンテンツ(無体物)に対する権利と考えれば分かりやすいでしょう。例えば、著作権、商標権、特許権などは知的財産権の一種です。

詳細なルールは、「著作権法」「商標法」「特許法」といった各種別々の法律で保護されていますが、それらに共通する一貫した考え、すなわち「人間の知的創造活動の成果について、その創作者に一定期間の権利保護を与える」……は、知的財産基本法という法律で一括りに定められています。

近年、日本政府は「知的財産立国」を目指して、こういった無体物の権利保護に力を入れています。

権利の保護だけでなく、新たな表現の創造のために

また、2015年に起きた東京オリンピックのエンブレム盗作疑惑など、一般消費者にも「パクリは悪いこと」という認識が広がっています。デザインやアイディアを盗んだ、盗まれたという当事者間の話では収まらず、社会的信用を失う危険性に繋がる時代であることを認識しなくてはならなりません。

とりわけ、イラストやロゴマーク、写真画像を日々扱うオリジナルグッズ作りの現場やそれを注文する側の消費者は、知的財産についての知識とそれを保護する意識が必要になります。

知的財産権の種類

知的財産権は、大きく2つに分けることができます(上図参照)。1つは、特許権や著作権などの創作意欲の促進を目的とした「知的創造物についての権利」。もう1つは、商標権や商号など使用者の信用維持を目的とした「営業上の標識についての権利」。

また、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、育成者権については、客観的内容を同じくするものに対して排他的に支配できる「絶対的独占権」と呼びます。一方、著作権、回路配置利用権、商号及び不正競争法上の利益については、他人が独自に創作したものまで支配できない「相対的独占権」と呼ばれています。

これらのうち、オリジナルグッズを注文するうえ、製造する現場で特に知っておくべきなのは、著作権、意匠権、商標権、商号(商法)です。

企業のロゴマークを盗用してしまうなどの不正行為を防ぐため、これらに精通しておくべきなのはもちろんですが、法律に触れない(不正ではない)行為を知ることも大切です。

例えば、著作権には時効があり、その作品の著作者(個人の場合)の死後50年が過ぎると自由に使って構いません。そのルールを知っていれば、過去の優れたコンテンツを有効に利用することができます。

著作権法では、そういった時効を設けることにより、永遠に作者の権利を保護するのではなく、新たな文化や表現を生み出していくことを肯定しているのです。

 

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記者プロフィール

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ハンコとスタンプの専門雑誌「現代印章」と、オリジナルグッズを作る業者向け専門誌「OGBSマガジン」の記者。日本全国どこでも現れる。オリジナルグッズを作りたいと考えている人に役立つ知識を紹介するため、日々邁進中。趣味は寺社・仏閣めぐり。