オリジナルTシャツを1枚から、簡単に作れる時代になったことをご存知でしょうか?
ほんの15年前まではTシャツをオリジナルデザインで作ろうとすると、最低注文枚数が100枚、プリント代とTシャツ代以外に「版代」が必要になり、トータル金額が数万円になることも珍しくありませんでした。しかもこの場合、フルカラーどころか1色ごとに「版代」が必要になるため、3色使うと版代だけでびっくりするような金額になっていました。
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大量印刷が得意なシルクスクリーン印刷
これは「シルクスクリーン印刷」と呼ばれる手法で作られるためで、1枚1枚のTシャツに版を重ね、その上からインクを刷っていました。
現在でもこの「シルクスクリーン印刷」はTシャツプリントの主力で、一般的なインクだけでなく、熱をかけることで立体的に膨らむ特殊なインクや、金箔、銀箔を使ったメタリックな表現、キラキラとしたラメを入れたプリントなど、様々な表現ができることが人気の秘密です。
もちろん、大量の注文なら「シルクスクリーン印刷」が一番適しているため、ノベルティや販促品のTシャツプリントはこの手法でプリントされることがほとんどです。
最近では「シルクスクリーン印刷」以外のプリント方法が数多く開発されています。その中でも1枚から、フルカラーデザインがプリントできる手法が、次の4つです。
・トナー転写
・インクジェット転写
・昇華転写
・ダイレクトインクジェットプリント
1枚から気軽にフルカラー注文できるトナー転写
トナー転写はレーザープリンターを使って専用の転写紙にプリント。
その転写紙をTシャツに重ねて上からアイロンで熱と圧力を加えることで、絵柄がTシャツに転写されるという手法です。転写紙が糊の代わりになり、絵柄をTシャツに接着させることができます。
プロ用のインクを使うインクジェット転写
インクジェット転写はトナー転写と違って、レーザープリンターではなく、インクジェットプリンターを使います。インクジェットプリンターを使うことで、レーザープリンターよりも色鮮やかな発色になるのが特長です。
使用するインクは「ソルベントインク」と呼ばれる特殊なプロ用のインクが使われています。Tシャツにプリントする方法はトナー転写とほとんど同じです。
トナー転写、インクジェット転写共に、転写紙そのものが白いため、黒や紺など濃い色のTシャツにも絵柄を転写することができます。
布地を染める特殊なプリント方法、昇華転写
昇華転写は、特殊な「昇華インク」を搭載したインクジェットプリンターで転写紙にプリントし、アイロンで熱と圧力を加えることで、絵柄がTシャツに転写されます。
一見、トナー転写、インクジェット転写と同じように見えますが、大きく違うのが絵柄を貼り付けるのではなく、染める点です。
昇華転写で使われている昇華インクは、熱をかけることで気体になり、接している布に色素が移って染色します。
トナー転写、インクジェット転写と違って転写紙を貼り付けるわけではないので、仕上がりが柔らかいのが特長です。しかし、転写できる生地がポリエステルに限られるため、一般的な綿のTシャツにこの手法は使えません。また生地を染めるため、もともと黒や紺に染まっている生地には転写できません。
綿やポリエステル生地にプリント可能!
「ガーメントプリンター」を使うダイレクトインクジェットプリント
ダイレクトインクジェットプリントは、「ガーメントプリンター」と呼ばれる専用のプリンターに、Tシャツそのものをセットして、直接インクジェットプリントする手法です。家庭用インクジェットプリンターの紙をTシャツに置き換えたもの、といえば分かり易いかもしれません。
転写紙を使わず、Tシャツに直接プリントするため、仕上がり時の風合いが柔らかいのが特長です。綿やポリエステル生地にプリント可能で、黒や紺などの濃い色の綿生地でも、白インクを搭載したガーメントプリンターならプリント可能です。
下写真のように、先に白インクをプリントし、その上からカラーインクを重ねることで、デザインを表現することができます。
「版」が不要なので「1枚だけのフルカラープリントTシャツ」が低価格で作れる!
これまで紹介してきた「トナー転写」、「インクジェット転写」、「昇華転写」、「ダイレクトインクジェットプリント」は、シルクスクリーン印刷と違って「版」を必要としないのが特長。つまり、1枚ずつ違う絵柄をプリントしても、プリントコストはかわりません。そのため、シルクスクリーン印刷では高価だった「1枚だけのフルカラープリントTシャツ」を低価格で作ることができます。
友達へのプレゼントにお揃いのTシャツを2枚だけ注文したい、還暦祝いにオリジナルの赤いTシャツをプレゼントしたい、チームでお揃いのデザインTシャツが10枚だけ欲しいという場合は、こうしたプリント手法を使ったフルカラープリントTシャツを探してみて下さい。