身の回りには実に様々な名入れグッズがありますが、「傘」もその中の1つ。
とはいえ、どんな名入れのニーズがあるの? そもそもどうやって名入れするの? と思う方もいるかもしれません。そこで今回のコラムは、名入れ傘について紹介していきます。
目次
名入れは店のPR+盗難防止の狙いも
日本において傘は、材質によって和傘と洋傘に分けられますが、一般的に名入れ用途に使われているのは洋傘です。
現在の開閉タイプの傘は13世紀のイタリアで誕生し、日本に普及したのは江戸時代の後期とされています。その洋傘の中でもポピュラーな「ビニール傘」は、日本の雨具メーカーが最初に開発したそうです。
よく目にする名入れ傘といえば、大型ショッピングモールやデパートに設置された「貸し傘」でしょう。お客さんが外に出て別館などへ移動するとき、突然の雨でも安心して買い物ができるよう、店が常備しておくものです。
その傘を広げると生地に店のロゴがプリントされています。これは店のPRと同時に盗難防止の狙いもあります。
住宅展示場に病院、タクシー会社も。名入れ傘の用途は様々
貸し傘は雨や日除けのための無料レンタル傘として、駅や商店街などで始まったサービスです。現在は様々なシーンで利用されています。
ショッピングモールやデパートをはじめ、ホテルや旅館、結婚式場、神社仏閣、ゴルフ場、住宅展示場、小学校、自動車教習所、病院、タクシー会社、バス会社……など。最近は工場見学ブームの影響で、急な雨でも参加者が濡れないよう、貸し傘サービスをおこなう工場が増えています。
また輸入車ディーラーが名入れ傘をノベルティとして配ったり、イベント会社がレースクイーン用に名入れ傘を使用するケースもあります。
傘の名入れは実績が豊富な専門業者に任せるのが◎
傘への名入れは、シルク印刷やインクジェット印刷などでプリントするのが一般的ですが、全ての印刷業者が傘を扱っているわけではありません。むしろ、「傘の名入れだけはやりたくない」と敬遠するシルク印刷業者も多いそうです。
その理由は傘特有の形状にあります。傘は丸みを帯びているので、生地の両端からできるシワを伸ばした状態で印刷するには、1本の名入れ作業に2人がかりでおこなわなくてはなりません。
もちろん、湾曲の生地に印刷するには高い技術も必要です。印刷後は、インクが乾くまで傘を開いた状態で5~6時間乾燥させます。
ドライヤーなどで乾かすと生地が縮んでしまうので自然乾燥が鉄則です。名入れ傘はこうした手間暇をかけて作られています。
名入れ傘が欲しい、という方は、実績が豊富な傘の名入れ業者を選びましょう。その際は、サンプルとして傘を数本作ってもらうと安心。傘を無検品のまま名入れして納品するような業者だと不良品が混じっていることもあります。
信頼できる業者かどうか、見極めることがポイントです。
原稿を作るときは細かいデザインに注意!
注文の際は、原稿の作り方に気を付けましょう。シルク印刷でプリントする場合、小さな文字や細かい絵柄、グラデーションは再現が困難です。
またブルーやブラックなど濃色系の傘生地の場合、黄色や赤、緑、青などのインクを使うと、生地の色にインクが負けてしまうことも。濃色生地への名入れは、白や金、銀の色を使うと見栄えがアップします。
また、「全面に印刷したい」という場合、シルク印刷だと傘の骨をまたいでプリントできません(ただしプリント後に生地を縫製する場合は可能)。
また傘の形状やサイズによって印刷できるスペースが変わるので、事前にしっかり打ち合わせをしましょう。