ミシン刺繍教室を運営していると、刺繍屋さんでは当たり前の常識を知らないまま工業用刺繍ミシンを購入し、誤った使い方をしている方もいたりします。
ミシン刺繍業界には参考書が無い!
色々な仕事を学ぶ上で参考書等があれば良いんですが、何故かミシン刺繍業界には参考書というものは無いんです。だから、この業界は閉鎖的とも言われて来ました。
が……これからはインターネットの時代。どんどん時代の流れは変わって来ています。
『チームで皆と同じデザイン』から『個性』を大切にという風潮にもなっています。
時代の流れで、ブラザーからは『PRシリーズ』にカメラ機能搭載の画期的なミシンが開発され、刺繍の位置がカメラで合わせられるという優れた機能が人気です。
知らずに誤った方法で作業していることもある
工業用ミシンメーカーのバルダンも個々に対応した様々なバリエーションの単頭機を以前から発売。
私の愛用しているタジマ工業からも『彩』というコンパクトな設計の新しいミシンが登場。
今年から来年にかけて単頭機戦国時代の幕開けと思います。
単頭機の発売合戦の中、プリント業界の方もミシン刺繍に注目して下さっていると思います。
そんな方達に初心者の間違った使い方をしている例をご紹介いたします。
ミシン販売の方や刺繍屋さんでも、知らずに誤った方法で作業をしている場合があり、ミシン刺繍教室で初めて驚かれた時は、私の方が驚きました。
そういう経験を重ねて私も、ミシン刺繍教室のスキルもアップして日々精進と思って頑張っています。
初心者が陥りがちな失敗と、その回避策
Tシャツの左胸に刺繍を入れる準備は、まず位置合わせをしっかりと。印刷プレビューを置いて確認する事もあります。

黒いTシャツ
次に刺繍枠をはめます。
この時、首回りを上にしてセットするのは良くない例です。
↑上の写真は良くない例。
横にミシンが振った時、枠に首回りが引っかかり綺麗に刺繍が入らない時があるからです。
背ネーム等も同様に首からセットしては駄目なんです。
これは刺繍屋の常識なのですが、素人さんは、そういう事すら知らないのです。これを読んだミシン販売の方は『そんな事も知らないのか』と言うのではなく、こういう事は知らないのが当たり前と思って、ミシンを販売する際に、ご指導して下さると良いのかなと思います。
Tシャツ刺繍等は刺繍データを180度回転させてミシン刺繍機にセットします。※この時、刺繍データを反転しないように。
ミシン刺繍機の操作パネルで180度回転でもOKです。
刺繍データを回転させて裾から刺繍ミシンにセットするのが正解です。