ミシン刺繍教室を運営しています。その中でブラザー工業㈱の刺繍データ作成ソフト「刺しゅうプロ」ユーザーの生徒様が一番多いです。
ミシン刺繍用語で画像データから刺繍データへ変換することを「オートパンチ」と言います。手動でおこなうコラムパンチの「マニュアルパンチ」と言い分けています。仕事では基本マニュアルパンチで製作することが多いですが……オートパンチを喜んで使う時もあります。それは家紋刺繍です。家紋刺繍はオートパンチがダントツに綺麗だと思うのです。
今回は、ブラザーの「刺しゅうプロ」の「オートパンチの裏技」としてレポートしてみました。今回使用したデザインソフトはコーレルドローです。
お客様からいただく刺繍デザインは、イラストレーターで作ったような綺麗なベクトルデータではなく、JPGデータのことも多いです。JPG画像をデザインソフトでひとつひとつトレースしていたら時間がかかり過ぎます。そんな時は、コーレルドローの機能「ビットマップのトレース」を使います。この機能を使ってある程度ベクトルデータに変換し、一部修正したものを「刺しゅうプロ」でオートパンチ刺繍データにする流れを紹介します。「刺しゅうプロ」も使い方次第で速く綺麗な刺繍を作ることができます。
「刺しゅうプロ」を持っている方の参考になれば幸いです。

①下り藤JPEG画像。

②コーレルドローデザインソフトに取り込んだ所。

③JPEGを拡大すると画像はガタガタです。

④ビットマップのトレース→輪郭トレース→ラインアートを選択。

⑤ラインアートでトレースするとベクターに変換してくれます。

⑥ラインアート変換したものを判りやすく色を付けてみました。

⑦ 部分的に残念な所を修正します。

⑧ JPEGでもはっきりした線でしたらラインアートでトレースする事が出来ます。

⑨SVGの拡張子でエクスポートします。

⑩刺しゅうプロ10の『データの取り込み』→『ベクトル画像ファイル』を指示し先ほど保存したSVGを取り込みます。

⑪この様に、SVGに変換した画像をオートパンチする事が出来ます。

⑫最後に大切な事は糸切の少ない様に刺繍の縫い順番とスタートエンドを綺麗に調整したらオートパンチ刺繍の出来上がりです。