
読書に欠かせないしおり
読書に欠かせないのが、読みかけのページに挟む「しおり」です(ブックマーカーとも呼ばれます)。
書店で文庫本を買うと、紙製のしおりが本に挟まっていることがあります。出版社の新刊案内やイベントフェアの告知などをプリントした「広告入りしおり」です。このしおりを「自分好みのデザインで作りたい」というこだわり派もいるかもしれません。
そこでこのコラムでは、オリジナルデザインで作るしおりについて紹介します。
目次
道しるべの目印に使っていた? しおりの始まりは平安時代
そもそも、しおりの歴史は平安時代まで遡ります。
当時は「夾算(きょうさん)」と呼ばれ、書物や巻物などの検出用や読みかけのしるしとして使用されました。これは竹や木を長さ9㎝、幅1.5㎝ほどに薄く削り、挟むための裂け目を入れたもの。平安時代に作られたとはいえ、機能性は現代のしおりとそれほど変わらないようです。

平安時代に建立された浄瑠璃寺の本堂と庭園。
19世紀頃からは紙や金属でできた携帯型のものまでが登場し、一気に「しおり文化」が花開きました。
ちなみにしおりの語源は、山道の道しるべとして木の枝を折って使う「枝折り(しおり)」。そこから転じて、本をどこまで読んだかを示す目印のことを「しおり」と呼ぶようになったそうです。
企業の販促品、教育系の現場にも活躍!
オリジナルデザインのしおりは、主に企業の販促品に利用されています。会社ロゴや新商品、イベントなどの宣伝をしおりにプリントして、取引先に配布する、という使い方です。
しおりは本を読み終えるまで繰り返し使うので目にする頻度が多く、他の販促品よりも刷り込み効果が期待できます。
具体的な用途は、
・商品や企業のPR
・営業用の販促品
・展示会の配布品
……など。展示会の配布品に活用する場合、卓上カレンダーなどの販促品と同様、サイズがコンパクトなので、来場者に受け取ってもらいやすいメリットがあります。
また、オリジナルしおりは教育現場においても使われています。校章をデザインして卒業記念品として卒業生に贈ったり、読者コンクールなど文化大会の副賞に。他にも、図書館やカルチャーセンター、文学限定の同人誌即売会など「本にまつわるアイテム」としてオリジナルしおりを使うニーズもあります。
気を付けたい「素材選び」と「注文枚数」
オリジナルしおりの素材は、スタンダードな紙やプラスチック、皮革、木、布、真鍮、ステンレスなど。それぞれ質感が異なるので、自分にぴったりな素材を決めましょう。
加工業者によっては、取り扱っていない素材もあるので、事前に確認しておくと安心です。その際には、希望枚数もあわせて伝えておくといいでしょう。業者の中には小ロット加工を得意としているところや、逆に5000枚や1万枚など大量枚数に強い会社もあります。
長細いだけじゃない、本に挟める形状なら何でもOK

マグネットタイプのしおり
基本的にしおりは、本に挟める薄型サイズであればどんな形でも利用できます。
例えば長方形サイズで上部に紐を付けたもの、アニマル型にくり抜かれたもの、スティック状で頭部にチャームがついたアクセサリー仕立てのもの……など。また、マグネットシートをしおりの形状にして、両端で本のページを挟み込むと磁力でくっつくタイプもあります。
加工の自由度が高いのも、オリジナルしおりの魅力と言えるでしょう。