ミシン刺繍業界に足を踏み入れて衝撃を受けた出来事は、日本人なら知らない人はいないと言っても過言ではない油性ペン「マッキー」の存在。
ミシン刺繍屋さんに就職して働き始めた時の仕上げ作業での体験談です。ネーム刺繍の白の下糸がほんの少し出てたので慌てて上司に見せたところ、何も慌てず平然と出したのは、油性ペン「マッキー」! ほんの数ミリのチラリと見えていた白の下糸を黒の油性ペン「マッキー」でチョンチョンと塗って「はいOK」とアッという間にネーム刺繍は綺麗に修正。私の目は点! 顔文字で表すとこんな感じ(;゚Д゚) ミシン刺繍業界に入って一番驚いた出来事は今でも忘れられませんでした。
私にとっては衝撃的な体験談だったので、刺繍組合の会合の場で刺繍屋の社長様達に話したところ、笑いながら「そんなの常識だよ」と言われたことも私にとっては衝撃で……。他の社長様は「うちの所は全色あるよ」と自慢顔で話していました。ミシン刺繍業を独立される方は、万が一の事態に備えて油性ペン「マッキー」は用意しておいた方が良いかも知れませんね。
油性ペン「マッキー」を使うことは滅多に無いですが、上から重ねて手刺繍で修正をすることは経験があります。ミシン刺繍は突然糸調子が悪くなることもあったりするので対応策は必須のスキルだと思います。これから刺繍で仕事する方は万が一の事に備えて、油性ペン「マッキー」を全色セットで用意しておくと良いと思います。 これは刺繍業界あるあるのお話でした。
◆時々思い出す怖い話◆
刺繍教室に来た、あるミシン刺繍屋の社長様の知り合いの刺繍屋さんの話(又聞き)です。
「金糸指定のあった商品に銀糸で刺繍してしまって、納期が迫って縫い直す時間が無い時、金のラッカーで塗って収めた」という話にはビビリました。しかも、お客様はラッカーで塗ったとは気が付かず、喜んでいたそうです。私にはとてもできない「業」ですが……。修羅場を通った刺繍屋さんは、やる事がとんでもないなと思いました。
これは……「信じるか信じないかはあなた次第」の怖い話。そう思って時々思い出す話でした。