連載コラム・欲しくて探して買ってみた:オリジナルマグカップ

秋吉純子秋吉純子

オリジナルマグカップ

「うちの零ちゃん、めっちゃ絵が上手くってこの間、小学校で表彰されてんで」。
嫁に行った妹が、娘を連れて遊びに来るなり自慢気に語りだしました。そ~いえばこの姪っ子の誕生日にえらく高い色鉛筆セットを強引に買わされたっけ。

「爺ちゃん(うちの父)なんかめっちゃうまく描けてるやろ。ほら、みかん(うちの駄犬)もすごいリアル!」。うちの子スゴイでしょの親バカはもうええねんと、ちょっとうんざりしながらチラッと絵を覗き見してみたら……なんということでしょう。とってもいい感じの匠なのです。
「ホントに上手いわ」
絵

絵

いつもありがとう

「この絵を使ってなんか父の日のプレゼントにしたいねんけど、なんかええアイデアない?」。妹が難題を出してきました。一休さんばりにポクポクポクと頭を捻り、思いついたのがそう〈手描きの絵が入ったマグカップ〉です。

東急ハンズにないもんはないはず!

「ナイス! 爺ちゃん、コーヒー好きやし。早速作りに行こう」妹は即ノリノリに。だけど、提案したもののネット以外でほとんど買物をしないアタシには実店舗のどこに行けばいいか見当もつきません。
「東急ハンズに決まってるやん!」。
妹の自信満々発言が飛び出しました。理由は、
「ハンズにないもんはないってテレビで言ってたし」。
中途半端な情報です。

他に手がかりがないのでとりあえずハンズへゴー。しかし、ハンズのどこでそんな注文を受けているかは全く不明。恐らく表札や印鑑(編集長曰く、正しくは印章というらしい。知るか!)などを扱ってるコーナーかも、と売場担当者に尋ねると、
「いやー。そのようなサービスはやってないですね」と、秒殺でノックアウト。工作やオリジナルものを作るなら、ハンズかなって思っていたので、二人して呆然です。

「トイザらスとか、食器売ってる店かも」。
妹が諦めきれずにつぶやきます。
「いや、無理やろ」。
「諦めきれへん。お姉ちゃん、後はネットでよろしく!」。
丸投げか?! いくら文句を言っても、妹はネット通販未経験の一点張り。渋々、私がパソコンで検索開始です。

オリジナルマグカップは安くて速い?

〈マグカップ オリジナル〉で検索すると出るわ出るわ! 激安、1個から、短納期、簡単にデザインが選べるなどの文字が踊っています。激戦商材のニオイがプンプンです。ランダムに店舗を選びマグカップを見てみると……安い! 安すぎです。手持ちのイラストを好きにレイアウトして印刷して1個なんと1000円! どのお店も似たりよったりの価格。儲かるのか? それともビビるほど原価がやすいのか?

疑問は山盛りですがこんなに安いなら2個買って両親にプレゼントしたら喜ぶかも……ウヒャウヒャと注文開始です。でもそこはホレ、ついつい商売心がムクムクと湧き、どうせなら別々のお店から買って比較してみることに決定です。

2店舗から買ってみての感想は、安くてしかも早い。エエことだらけ。でも、全て自分でデザインが出来たり、パソコンやインターネットの知識がないと自力で入稿するのは厳しいかも。そこで気が付きました。だから売れてそうな雰囲気のするお店は全てページ上部に電話番号が明記され、お問い合わせウエルカム状態。実際、両方の店舗に電話で問合わせしましたが非常に丁寧に説明してくれ好感度大でした。恐らく、入稿途中でわからなくなったり「画像の大きさが足りません」と何度もエラーが出て挫折する人が多いのでは。実際、アタシもパソコン画面に何度もケンカを売りそうになりましたし。いくら自由にデザインできるからと言われても結構ハードルは高い。うちの妹ならきっと途中で諦めて、違うもん贈ることに変わってたはず。

完成予想図が3Dで確認できる!

でもさすが。2店舗ともそんな感じで離脱する人のためにそれぞれの工夫がされていました。1つ目の店はデザイナー料が別途必要だけど自分の希望を伝えたら形にしてくれるサービスを用意。

2つ目の店はデザイン作成フォームが非常に工夫されていて、プリクラに文字を描く感覚でイラストや写真、文字が直感的にレイアウトできます。さらにすごいのはマグカップの完成予想図が3Dで確認できる! 非常にわかりやすい。ここまでフォームが確立されていればあとはマグカップにプリントするだけなので、低料金で販売できるんやろーなと感心しきりです。

きっと激戦商材なので淘汰されて、手厚くおもてなしするか、しなくても自分でできるようにするかのどちらかしか残れない厳しい業界なんでしょう。

商品は注文してから約5日で到着。早い。2店舗とも同じ日に時間差で到着です。仕上がりを比較してみても発色に濃淡がある程度で、どちらもこの値段、納期、仕上がりなら大満足です。これなら爺ちゃんも喜んでくれそう。

濃いマグカップ表
濃いマグカップ裏
こちらのマグカップは少し色が濃い仕上がり

薄いマグカップ表
薄いマグカップ裏
こちらのマグカップは少し色が薄い仕上がり

今回買ったオリジナルマグカップ。かなりの激戦商材のようで検索するとよく似たお店が沢山でてきます。値段も納期もほぼ横並びで正直、どこがどう違うかは店舗を見ただけでは全くわかりませんでした。その中で重要なのはやはり、買いやすさと店舗の親切さ。実際、もっと安いお店もありましたが電話番号の記載がなく、メールで問い合わせというお店だったので、
「今、聞きたいねん。こんな入稿フォームでわかると思うんかっ!」と激怒して途中でやめてしまったお店も数店ありました。

料金が高くとも相談しながらじっくり作りたい人もいるはず

当初、妹と東急ハンズでできないと言われた時は、なぜ実店舗で販売しないのか、欲しい人は多いはずなのにと思いましたが、終わってみて、実店舗が個人需要ギフトの対面販売をおこなう難しさが理解できました。

父の日などのギフトは基本、1人が1つしか買いません。その1つに対して丁寧に接客しながら作ってたら1000円では割に合わないはず。でも逆に、料金が高くとも相談しながらじっくりと作りたい、大切な人へのプレゼントだからというお客もいるんじゃないかな。

買い物を終えてからそんな店がないかと探してみたら見つけました! カメラのキタムラさんです。写真データを持参すると2160円でマグカップにしてくれるようです。でも、やっぱりカメラ屋さん。デジカメ画像だけなのね。うーん、残念。

ぜひぜひ、手書き原稿とかPCデータの取扱いもはじめて欲しいものです。

記者プロフィール

秋吉純子
秋吉純子
LEDサイン販売会社に在職中、飲食・物販など300にのぼる業種へ取材訪問して販促を実施。その後、マーケティング会社でマイカル系GMSの新店舗出店前調査や、アイデア雑貨メーカーで企画開発、ネット事業を担当。女性目線で消費者の生の意見を吸い上げ、商品開発や既存商品の改革など行なってきた。現在は、ホールインワンの記念品販売サイト「アーカイブプラス」を運営。一般社団法人イーコマース事業協会・元副会長。趣味は廃墟・工場めぐり、ビール、サイクリング。モットー「酒は世界の共通語」。 http://www.holeinone-golf.net/