ビジネスシーンで身に付けることができる数少ないお洒落アイテム、それが「カフスボタン」です。
カフスボタンといえば「上品で少しおとなしめなデザインが定番」というイメージがありますが、今や人気キャラクターなどとコラボすることも珍しくなく、「おとなしめ」から「カジュアル」まで様々なデザインのものが販売されています。
プレゼントとしての需要もあり、オリジナルデザインのカフスボタンも人気です。
ここのコラムでは、そんなカフスボタンについて紹介します。
目次
カフスボタンの起源
そもそもカフスボタンとは、ワイシャツなどの袖口の穴に差し込んで、開口部を閉じる留め具のことです。
シャツの袖口に元から付けられているボタンとは異なり、衣服から取り外せるのがカフスボタンの特徴で、実用性とファッション性を兼ねた装身具として人気があります。
欧米では日常的に利用されており、コレクターアイテムとしての需要も高いそうです。
カフスボタンの歴史は17世紀のフランスが始まりです。
貴族の間でネクタイやリボンのように、袖にもお洒落をしたいという動きがあり、貴族たちはゴールドやシルバーの石を袖に貴金属のチェーンで繋ぎました。
これがカフスボタンの原型と言われています。
ちなみにカフスボタンの名前の由来は「カフス(袖口)」のボタンから。
和製英語で、正式には「cuff-buttons」(カフボタン)や「cuff-links」(カフリンクス)などと呼びます。
カフスボタンの種類と使い方
カフスボタンは留め具の形によって様々な種類があります。
代表的なものは下記の5種類です。
・留め金タイプ
スタンダードな形状で、留め金の部分が回転式になっているカフスボタンです。
縦に回した状態でシャツのボタンホールに差して、留め金を横に回転させて留めます。
チェーンタイプよりも留めやすいのが長所です。
・チェーンタイプ
本体同士をチェーンで繋いだ、伝統的な形状のカフスボタンです。
・棒状タイプ
留め金の部分が固定された棒状のタイプのカフスボタンです。
先端が円型になっているので、ボタンホールにそのまま挿すだけで留まります。
・ゴムタイプ
ゴム素材を使ったカフスボタンで、ゴムの伸縮性を利用して袖口に取り付けます。
他のタイプに比べてカジュアルさがあります。
・ボタンタイプ(スナップ式)
本体が2つに分かれていて、ボタンのように嵌めるカフスボタンです。
最近はあまり流通していないようです。
ボタンホールの両側から差し留めるので、他の形状よりも装着が難しくなっています。
また、カフスボタンの材質は様々です。金や銀、プラチナなどの貴金属をはじめ、ダイヤやルビーなどの宝石、クリスタルガラス、布系、七宝焼や有田焼といった焼き物を使用することもあります。
カフスボタンのニーズ
オリジナルグッズのカフスボタンは「贈り物」としても使われています。
中でも多いのが、誕生日やバレンタインなどに女性から男性に贈る用途で、男性のイニシャルやメッセージ、家紋などをボタンにあしらってプレゼントするというもの。
また企業では、周年記念に合わせて企業のロゴを入れた贈答品や、永年勤続者や退職記念などの表彰グッズにして贈ることもあります。
カフスボタンの発注
オリジナルカフスボタンの作製には、既存のパーツへの二次加工や樹脂を固めての自作など様々な方法があります。
しかし、カフスボタンは平面ではなく半球状のものが多いため加工が難しく、相応のノウハウを持った業者でないと作製することができません。
品質を求める方、または宝石や焼き物などの加工が難しい素材や、大量注文などの難しいオーダーの場合は、徽章メーカーなどの専門業者に依頼しましょう。
カフスボタンを身に付ける際の注意点
最後に、カフスボタンを身に付ける際の注意点をお話しします。
カフスボタンは、袖口にボタンのついたシャツには通すことができません。
そのため、カフスボタンを使用するには留められるシャツが必要となります。
対応しているシャツは、袖口を折り返して二重になった「フレンチカフスシャツ」と、ボタンでもカフスボタンでも留められる作りになっている「コンバーチブルカフスシャツ」の2種類です。フレンチカフスシャツだと袖口が厚い分、よりカフスボタンが映えます。
また、カフスボタンを身に付ける際、慶弔には華やかな真珠貝を、弔事には喪に服す場に合うシンプルな輝きのオニキスを、とシーンによって材質を使い分けることもあります。
雑学として覚えておいて、発注の際に専門業者に相談してみれば、思い通りの仕上がりに近づくはずです。