日本初のプロサッカーリーグ「Jリーグ」が開幕したのは25年前のこと。これまでサッカーに興味がなかった男女を取り込み、人気に火が付きました。2017年の年間観客動員数は1000万人を超え、今やプロ野球と並ぶ人気スポーツに成長しました。
Jリーグではロゴの入った公式サッカーボールが使用されています。Jリーグだけではなく、ワールドカップやオリンピックなどの公式試合球にも様々なデザインがプリントされています。
サッカーボールの他、野球ボール、バスケットボールなどスポーツ用ボールに名入れしたりデザインを施すことは、何もプロスポーツの大会に限りません。例えばスポーツサークルの記念グッズなど身近なところでも利用されています。
そこでこのコラムでは、オリジナルデザインで作るスポーツ用ボールについて紹介していきます。
「卒部記念」と「出場記念」が定番
オリジナルグッズのスポーツ用ボールといえば、「記念品」が真っ先に浮かぶかもしれません。小・中学校、高校の卒部記念として、ボールに集合写真や卒部した年月日、名前などを入れるというものです。学校の部活だけでなく少年野球団やジュニアサッカーチームなど、地区別で構成されたクラブチームも卒業用グッズとしてなじみがあります。
また、「試合出場の記念に作りたい」というニーズもあります。
野球なら甲子園、サッカーなら全国高校サッカー選手権、バスケならインターハイ、バレーボールなら春高バレーなどがありますが、そんな有名どころだけでなく、少年大会や新人戦、選抜大会、地区予選など様々な「出場記念」に使われています。試合に合わせてボールを作れば、チーム同士の結束もより一層強まるかもしれません。
他にもギフト用途なら、草野球チームの友人に結婚祝いとしてオリジナル野球ボールを贈るという例も。発想を働かせればまだまだアイデアが見つかりそうです。
ボールの大きさによって製法が変わる?
スポーツ用ボールに名入れする場合、ボールの大小によって製法が異なります。
ゴルフボールやピンポン玉などの小さいボールは、UVプリントで加工できます。厚物UVプリンターと呼ばれる機械を使って、水性・油性などのインクを搭載し、対象物に直接プリント。これを使えば厚みのある素材だけでなく、レーザーやサンドブラストで加工するのが難しい凹凸や球面、曲面の素材にもマーキングできます。小さいボールへの製法としては、他にもアイロンプリントを使った転写加工などがあります。
大きいボールに印刷する場合はパッド印刷が最適です。パッド印刷とは凹版にあるインクを弾力性のあるシリコンゴムのパッドに付着させ、そのインクを平面や凹凸面に転写する方法。シリコンパッドが軟らかく凹凸にもフィットするので、ボールなどの曲面印刷に広く利用されています。
また、縫い合わせ前の皮革に印刷してからボール状に縫製する工程もあります。この場合、ボール全面への印刷も可能なので、よりオリジナリティを求める人はお勧めです。
オリジナルのスポーツ用ボールを作りたい、という方はこうした製造ノウハウを持っている加工業者に依頼してください。
せっかくのデザインが台無しに……縫い目のボールに注意
デザインデータを作る時、注意したいのが縫い目の部分。テニスボールや野球ボールには必ず縫いしろがあるので、そこにデザインをレイアウトすると縫製時に隠れてしまいます。特に記念ボールは思い出の写真をプリントすることが多く、顔が隠れてしまってはせっかくのメモリアルグッズが台なしです。縫い合わせの周辺にはできるだけ顔写真をレイアウトしないよう、気を付けましょう。
納期にも注意が必要です。完全オーダーメイドのボールだと、1ヶ月程度かかることも。繁忙期の卒業シーズンに注文を出すと、さらに納期が遅れることもあります。できるだけ納期に余裕をもって注文したほうが安心です。