最近、よく耳にする「AI」。デザイン関係者にとってAIと言えば、アドビ・イラストレーターのことですが、近頃では人工知能を指すらしい。
「自動で車を運転してくれるやつでしょ?」と友人に聞くと、
「秘書とスタイリストとお手伝いさんが3人がかりでアンタのためにいろいろ世話をやいてくれる未来が来る感じ」と教えてくれました。果たして世の中で言うところのAIが友人の教えるAIとイコールなのかは疑問ですが、便利になりそうな気はしています。
そしてもうすでにそのAIとやらは可動しているらしく、インターネットで調べものをしたり、SNSを見たりすると、自分の興味があるお知らせがガンガン表示されてくるんですって。
普段はあまり気に留めないのですが、たまたま通勤途中にスマホを見ていたら【オリジナルラベル入りビール】の文字が飛び込んできました。
日本酒やワインは見たことあったのですがビールは初めて! 私がこの世で一番愛するビールのオリジナルラベルが作れるなんて、これをやらずして何をオリジナルで作れというのでしょうか? ただ単に、広告に誘導されただけですが、何か啓示めいたものを感じてクリックしてしまいました。
難しくもなく、楽しくもなく、何となく出来上がり
どうやら国内の大手ビールメーカーが運営しているサイトらしく、お金をかけてページを作っている感が漂います。ラベルにしたい写真を用意して手順に沿って文字やイラストを組み合わせるとラベルができるようです。
前回のビーチサンダルと流れは似ていますが、ものがビール。これは買うしかありません。
せっかくなのでもうじき誕生日の父親にプレゼントすべく、父が愛してやまない愛犬の姿をラベルにすることにしました。しかし問題は、うちのワンコ、実物は驚くほど可愛い柴犬なのですがカメラを向けると「なんか悪いもん憑いてるのか?」と誰もが口走るほど恐ろしい形相をするのです。
だから私のスマホには1枚も愛犬の写真がなく、朝から犬用ジャーキーをちらつかせ、威嚇され噛まれながら少しでも可愛く写るように何十枚も撮影し、ようやくまともな写真をゲット。後で気付いたのですが、こんな大変な思いをせずとも若いお嬢さん達に大評判のスマホアプリのSNOWで写せば、どんなブサイクでも可愛く写ったはずだったのでしょうね(たぶん)。
写真も入手し、いざサイトでラベル作成開始です。ラベルの元となる10カテゴリーのフレームから好きなデザインを選ぶ所からスタート。
誕生日や結婚式、うちの子記念などの中からペット用のフレームを見つけました。さらに12のデザインから好みのものを選んだ後、写真を選択するとフレームと写真が合成された状態がプレビューされます。
写真を拡大縮小、回転させてベストポジションに写真をレイアウト。続いて、ハートや記念スタンプで写真を可愛くデコっていきます。ちょっとプリクラチックで懐かしい感じ。最後にメッセージを入力して、文字色やフォントを選び、拡大縮小しながら文字のバランスを整えて配置すればデータの完成です。
さして難しくもなく、かといってすごくワクワク楽しかったわけでもなく、何となく出来上がりです。
その後、ビールの入数を3本、6本、16本入から選んだ後にビールの種類を、ピルスナー、ヴアイツエン、デュンケルの3種類から選んで購入手続きへ。
ところが、あと少しで買い物完了というところでトラブル発生です。
このサイト、買い物の際に会員登録が必要らしく、新規登録しようと普段買い物に使っているメアドを入力したところ、「すでに登録されているので、パスワードを入れろ」という表示。登録した覚えないけど? 大手ビール会社のサイトだから、もしかしたら以前、プレゼントビール欲しさに登録したかもしれない。だけどパスワードなんて覚えてないし。パスワードを再設定しようとすると「電話番号を入力しろ」と。
自宅、会社、スマホと思いつく番号を入力するも、その都度「違う」と拒絶され途方に暮れました。
問い合せ窓口の番号が無い? 戦闘モードに突入です
仕方ないので電話で聞こうと問合せ窓口の番号を探すも、サイトのどこにも見当たらない。
イラッとしながら【よくある質問】を見ると、
まさかの「電話注文は承っておりません」の文字が! ありえへん。
少人数で手一杯でやってるネットショップじゃあるまいし電話注文を受けてないだと? だから問合わせできないように番号を載せてないのか? そっちがその気なら、こっちもやったるからな!
ハイ、戦闘モードに突入です。
この会社の公式ネットショップの中にひっそり記載されていたフリーダイヤルを見事に見つけ出してやりました!
しかーし、電話するとさすがは大手企業、対応は完璧です。なぜ電話番号が拒否されたかは解明しませんでしたが、無事コールセンターの担当者のおかげでパスワードの再設定ができたうえに、納期も少し早くしてもらえました。
大人の事情なのか……? 味も出来栄えも良いのに
そして待つこと約2週間、ようやくビールの到着です。
サイトに明記されていたように専用の箱には入っているけど、やっぱり贈物なのでラッピングして欲しいなと呟きながら箱をオープン。
おー! 発色も良く、なかなかの出来映え。これ贈られたらちょっと嬉しいな。
しかし、価格は3本で送料込み1975円。送料を踏まえて1本あたり500円ぐらいの計算になる。クラフトビールでオリジナルラベルだから、購入者側としては納得のいく価格だけど、贈られた人にはこの値段感が伝わらず、もっと安いモノのように受け取られるかも。私がこれを贈られたなら1500円ぐらいのイメージなので、実際の値段を聞いて「微妙に高いやん」と言ってしまいそう。
あと、大人の事情でしょうけど、どのセットを買っても同種類のビールしか詰め合わせできないのがイケてない。
せめてビールを複数種類組み合わせできるとか、ラベルのパターンが増やせるなどができれば最高なのに。
大手企業過ぎるが故に小回りが効かないのかもしれないけど、ネットショップのくせに電話番号を見えるところに表示しないとかありえないし、もう少し買う側の立場に立ったサービスを頑張って欲しいなー。ビールは美味しいんやから。