ベビー用品へのプリントは安全? そのチェックポイントを解説します!

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赤ちゃんの画像

家族や友人、職場の仲間に子供が生まれたときのお祝い、プレゼントとして人気なのが、ベビー用品にオリジナルプリントしたグッズです。

人気の商品は、ロンパースなどのベビー服、よだれかけ(スタイ)、タオル、おくるみなど。いずれも、子供の名前を入れたり、かわいらしいデザインや工夫を凝らしたデザインを専門業者にプリントしてもらい、出産祝いとして贈ると、とても喜んでもらえるようです。

ベビー用品

 

ただし、赤ちゃんや子供向けのグッズを作る時には、あることに気を付けなければなりません。
それが、オリジナルグッズの「安全性」です。

赤ちゃんは何でもすぐ口にいれてしまいます。そのため、プレゼントするグッズに有害な物質が含まれていないか、プリントする時、安全なインクやシートなどを使っているかどうかをチェックする必要があります。そんな時、目安になるのが、「エコテックス規格100」と呼ばれる安全マークです。

エコテックスは有害物質が入っていないことを示すマーク

「エコテックス規格100」とは、Tシャツやタオルなどに「有害な物質は入っていない」と安全性を保証するマークのことで、欧州を中心に世界各国の試験研究機関で構成する「エコテックス国際共同体」が定めた、繊維製品の国際的な認証制度(1992年から開始)です。

糸の製造からファスナーやボタンなどの付属品を含む完成品に至るまで、広範囲な安全水準を達成するための認証システムです。厳しい基準をクリアした製品だけが、エコテックスのラベルを付けることができます。

エコテックス規格100のロゴマーク

 

「エコテックス規格100」認証には、用途によって必要とされる安全性のレベルに応じた4つの製品分類があります。
肌への接触が大きいほど規制値は厳しくなります。例えば製品分類 Ⅰ は36ヶ月までの乳幼児が触れる繊維製品が対象で、乳幼児は皮膚が敏感であることを考慮して最も厳しい基準値を設けています。さらに乳幼児が口に入れても色素が流れ出ないよう、唾液に対しても堅牢でなければなりません。

エコテックス規格の製品分類

エコテックス規格の製品分類

 

エコテックス認証までの流れ

現在、エコテックス規格の認証機関は世界16ヶ国にあり、日本では唯一、一般財団法人ニッセンケン品質評価センター(以下、ニッセンケン)が2000年から認証をおこなっています。

国際的に決められた有害物質の規制値に基づいて、試験を実施。法律で禁止、または規制されている物質が含まれていないことを確認するだけではなく、その他の健康を害する恐れがある物質についてもチェックしています。

ニッセンケンで規格100の認証を受けるまでの流れは、

①素材や製品の申請書を送付。申請書には対象製品の構成部材や各部材のメーカー、素材、色展開などの情報を明記。

②ニッセンケンが分析試験を開始。素材や染色、加工段階で有害化学物質が含まれていないか、包括的に試験する。

③分析試験を経て定められた基準をクリアすると、規格100の認証取得。

申請書とサンプルを提出後、認証書が発行されるまで1ヶ月程度。費用は登録費用(12万円)と分析試験費用(個別見積もり)、訪問監査費用(初回と3年ごとに実施、5万円)で、分析費用は認証の範囲や対象製品の素材や色などによって異なります。認証の有効期限は1年間で、更新も可能。

また、規格100には製品素材を問わない染色工程部分のみや、仕上加工の工程部分のみを対象とした「委託加工(プロセス)認証」という特別な認証方法もあります。自社では素材が特定できない加工業者が申請できる方法で、これにより様々な分野での認証取得が可能となっています。

インクは「ECO PASSPORT」認証で安心

規格100の他に、「STeP(ステップ)」認証、「ECO PASSPORT(エコパスポート)」認証もあります。

STeP認証は会社(工場)の品質管理や化学物質管理、環境管理、環境実績、企業の社会的責任、労働者の安全・衛生についてチェック。規格100の内容に労働環境や雇用者の安全、健康への配慮などの項目を加えたものです。各国の法規制や国際規格もカバーした世界共通の工場などの認証制度となっています。

STePのロゴマーク

 

「ECO PASSPORT」認証は2016年6月から始まった認証制度です。これは繊維製品を対象にした規格100とは違い、さらに川上となる「原料(使用される化学薬品)」の安全性を証明するというものです。

「化学薬剤の安全性を確認できれば、繊維製品の安全性は格段に向上する」という考えから誕生しました。繊維製品の生産時に使用する染料や顔料、助剤、仕上加工剤、機能付与剤が対象で、ウエアプリントの場合、各種プリンターに搭載するインクや前処理剤などが当てはまります。

 

ECO PASSPORTのロゴマーク

ECO PASSPORTのロゴマーク

つまり、オリジナルプリントをお願いする業者が、「エコテックス規格100」認証を受けたグッズを使用していたり、ECO PASSPORT認証を受けたインクなどを使っていると、安心して注文を出すことができる、というわけです。

実際には、ほとんどのプリント業者は安全性に気を配って商品を作っているので、それほど過敏になる必要はありませんが、「どうしても気になる」という人は、「エコテックス規格100」認証やECO PASSPORT認証を取得したインクを使ってるかどうかを確認してみてはいかがでしょう?

もちろん、「エコテックス規格100」認証以外の安全規格は数多くあります。グッズプリントを注文する際は、そうした規格を示すマークをチェックしてみるのもいいかもしれません。

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記者プロフィール

記者1号
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ハンコとスタンプの専門雑誌「現代印章」と、オリジナルグッズを作る業者向け専門誌「OGBSマガジン」の記者。日本全国どこでも現れる。オリジナルグッズを作りたいと考えている人に役立つ知識を紹介するため、日々邁進中。趣味は寺社・仏閣めぐり。