ネットでバカニュースを見つけることを生きがいにしている友人から「AKB握手会に偽テレビ局員が侵入」というLINEが届いた。
放送局の腕章と社名を記したIDカードを身につけ、レンタル会社から借りた業務用ビデオカメラを持ち込んで局カメラマンに混じって撮影。ご丁寧にもビデオカメラに局のステッカーが貼られていたそう。
知能犯やな、この犯人。
ちゅーか、腕章だけで簡単にテレビ局に入れるって、腕章ってどんだけの実力者やねん。
ちょっと面白そうなので編集長に腕章について詳しく聞いてみることに。報道腕章の用途は大きく次の2つがあるそうです。
1、報道関係者自身が、取材先に行く時に持参(記者会見や災害現場に行くときに付けてないと野次馬と間違われる)。
2、展示会や記者会見の主催者が、報道関係者を区別するため付けさせる。
……てことは、周りの人に「今、俺って取材中」とアピールするために目立ったほうがいいのかと思いきや、「どこの会社もだいたいエンジかグリーンで、報道・PRESSの文字と社名が入っているぐらいかなー」と編集長。
テレビ局はエンジで新聞社がグリーンみたいなカラーの決まりも特にないらしい。「で、編集長んとこってどんな腕章使っているの?」と尋ねると画像を送ってきてくれた。
ぷぷぷ……。
あ、失礼。PRESSって文字が入った既製品の腕章にテプラで社名を貼ってる代物でした。
こらアカン。こんなダサい手作り感満載な腕章使っていたらニセ取材に間違えられてしまう。ってことでカッコいい腕章にリニューアルするべく大捜索開始です。
トロフィー屋の友人なら腕章を扱っているかと電話してみると「雨にも強いビニール製と布製があり、オリジナルで作ると1個4000円ぐらいするらしい」。
アカン、めっちゃ予算オーバーやん。早々に電話を切ってインターネットで激安店を探すことにしました。
【腕章 オリジナル】で出てきたお店を片っ端から見たのですが、どの店も10枚で3000円ぐらいな感じ。
果たしてこれが安いのか高いのか、相場感がわからず編集長に相談すると、
「高すぎる! 5~10枚で@2000円以内が一般的やろ」と秒速で却下されてしまいました。
しかーし、探しても探しても、どの店を見てもこれぐらいのお高い値段の腕章しか表示されないのです。
これはもう、直接お店に電話して訊ねてみようと、パソコンで目に止まったお店に電話すると、
「秋吉様ですね。以前は弊社をご利用頂き誠にありがとうございます」と突然言われてビックリ仰天!
なんと第14回の連載でのれんを作った会社に偶然電話をかけていたのです。
それより凄いのがこのお店、どうやら電話のディスプレイに表示された電話番号が過去の注文顧客データと結びついているようで、この「いつもご利用ありがとう」の対応だったらしいのです。
これはいいチャンスと「報道用の腕章ってこの色じゃないとアカンみたいな決まりってあるの?」と訪ねてみると、
「特に決まりがあるとかは聞いたことないですね。グリーンやエンジが多いだけで他の色の注文もありますよ」との返事。
みんな何となく横並びのカラーで作っているだけらしい。
ここで出会ったも何かのご縁。早速見積もりをお願いしました。が! やっぱり高い。
1枚3160円!
のれんはあんなに安かったのに……おかしい。
「なんかカラクリがあるはず」と今まで見た中でページが見やすかったお店に戻り、もう一度ページをくまなくチェックしてみたのです。すると驚くべき発見が!
アタシが作りたかったのは【報道 PRESS 社名】が入ったシンプルな腕章なのですが、「社名を入れる=オリジナル」と勝手に思い込んで【オリジナルデータで腕章を作成】という商品ばかり見ていたため、やけに高額だったのです。
しかし、会社のロゴを入れたり特殊な色にするわけでなく、ただ社名を入れるだけなら【オリジナルデザイン】ではなく、【フォームの中の文字を打ち替えるだけ】で簡単に安くできて、おまけに納期も短縮できるらしいのです。
つまり、イージーオーダーでやってくれるってワケ。もっと分かりやすく書いてよ! 危うくムダなお金を払うところだったじゃないの!
そうと分かれば、今一度【オリジナル腕章 報道】で検索して作り方が分かりやすい、価格の安いお店で作成決定!
何件かお店をのぞき、その中で説明文が分かりやすく入稿用のデータフォームが用意してあるお店で注文することに。
ワードで作成したデータ入稿も可能だけどその場合、入稿変換費が1000円必要らしい。
なら、イラストレーターで作成したほうが希望のデザインで作れるし安くって断然お得やんと、こちらで入稿決定。
後は出来上がりを待つばかりです。
それにしても、定形データとオリジナルデータで作成した時の価格の違いが未だに分からない。今回入稿したデータも、会社のロゴは入ってないまでも、定形見本とはだいぶ違うデザインでレイアウトしたけど定形の金額みたい。
どのお店を見ても、このあたりの表記が曖昧で定形とオリジナルデザインの違いはなにか。値段の違いはどういった所なのかは分からずじまい。
編集長から「金額高すぎ」と言われなかったらこれが相場かと危うく高額でお買い物するところでした。
とかなんとか言ってるうちに注文から7日ほどで、はい到着しましたー。
今まで腕章なんか使ったことがないので、この出来がいいか悪いかは正直、まったくわかりません。
「ああ、腕章ね」という感想ですが、編集長が使っているテプラ貼りの現在のものに比べたら100倍はホンモノの報道マンに見えるはずです。
それにしても腕章専門店がこんなに多いことにビックリだし、腕章にそんな需要があることに2度ビックリです。
めっちゃ必要なものではないけど、いざ買おうと思ったらどこで買ったらいいかわからないし値段も不明な腕章。
意外に穴場な商材なのかしら……と商売っ気を出して改めてガン見しちゃいました。