連載の商品探しは、もっぱらインターネットですが、今回はオーダーグッズの総合展示会「オーダーグッズビジネスショー大阪2020」に足を運んでみました。
展示会の開催は東京が多いので、今回の大阪開催は大歓迎。チャリンコを会場に横付けし、足取り軽くいざ突撃です。
事前に編集長から「ハンコ作りを体験してみたら?」と勧められていたので、「ハンコ作り無料体験中」みたいなノボリが出ていると勝手に思い込み、それらしきブースを探すのですが見つかりません。よくよく考えると業者向けの展示会。そんな一般消費者向けのノボリが出ているはずもなく、編集長にブースまで案内してもらい、特別に体験させてもらうことに。
ハンコ彫刻機メーカーの㈱ウィズアスさんのブースで、担当の方に指導してもらいながらスタートです。
これは便利! 真っ直ぐ捺せるハンコ
まずはハンコの素材を選ぶのですが、今のハンコってカラフルなのね。100円ショップで見かける白や黒のハンコしか知らないから、メタリックカラーなんて初めて見て驚きです。
何色にしようか悩んでいると「これ、上から印面が見えるんですよ」とちょっと得意気に担当の方が教えてくれるではありませんか。ハンコの上から覗いてみると「おおー。なるほど。上部が透明になっているので、下の印面が見えるってことなんや」。これって、テレビ番組でよく紹介されるほど人気のハンコだそうです(後日談・3月24日放送のTBS系列の人気バラエティ番組の「印鑑の世界」の回で登場しました。マツコさんも驚いてましたね。
認印なんて書類を提出するときにしか使わないけど、向きがよくわからず結構適当に捺して斜めになりがちなので、これはなかなか便利だわーとか言いながら緑色を選択。
次は動物の顔やシルエットが入ったもの、干支や日本柄など35種類のハンコデザインの中から好きなものを選び、名前をレイアウトしていきます。絵柄を見ていると、なんとコレクター魂を揺さぶるカエルのデザインが!(アタシ、カエルグッズ収集家ですの)。迷わず選択し、次に名前の書体を選びます。
「この書体カッコいいかも」と呟くと「この書体は名前を入れただけではできず、パソコン上で調整が要るんです。素人さんには難しいかも」と言われるではありませんか。
見た目のカッコよさだけで選んだのは印相体(吉相体)という書体で、印影の枠に文字が接しているものらしく、苗字の文字を選んだ後に線を色々と触る必要があるそうなのです。いやー、このままでもけっこうカッコいいと思うんやけど、ハンコ業界的にはアウトらしく、不器用なアタシにそんな小難しいことができるはずはないので速攻で書体を篆書体に変更です。
この書体なら文字を大きくしたり、偏と旁のバランスを整えたりするぐらいで作れるそう。初体験のアタシでも簡単にできそうです。
そこで一つ疑問が。書体によって手間が異なり作業時間に差が出るってことは、書体で値段が異なるの? 尋ねてみると、ハンコ屋さんによって様々らしいのです。
こうやって微調整が要るのを目の当たりにすると、書体ごとに値段が変わるっていうのもわかるけど、なんにも考えずに依頼して、プラス料金がかかりますって言われるとなんか損した気分になるかも。
書体の調整ができたら、今度はさっき選んだカエルのデザインに名前をレイアウトしていきます。横に詰めたり縦に広げたりサイズを小さくしたりと、マウスで簡単に作業ができ、めっちゃ簡単に完成です。
「ハンコ、デザインしたことあります? お上手ですよね」などのお世辞を言われてちょっと得意気になりながらいよいよ印材に彫刻します。
機械にハンコをセットし、スタートボタンを押すと刻印開始。
ゴリゴリゴリと見る見るうちに彫り込まれ、ものの数分でできあがりです。
削りカスを歯ブラシでシャッシャと払い、機械から取り出してさらに細かなカスを丁寧に処理すれば完成です!(本物のハンコ屋さんはこの後、仕上げという調整作業をするそうです)。
見た目は完璧。選んだグリーンがカエルのデザインとマッチしてなんとも良い仕上がりです。
ただし、これはアクセサリーではなくハンコという実用品。捺して美しい印影じゃなくては意味がありません。
担当の方から「ハンコに朱肉をグリグリと押し付けて、たっぷり朱肉を付けて捺すのがいいと思われている方が多いですが、実は間違いなんです。そうすると彫ったところに朱肉が詰まって本当は良くない。優しくトントンと付けるだけでキレイに押せますよ」と教えてもらい、今まで朱肉にこれでもかと強く左右にひねくりまくって付けていたことを深く反省です。
担当の方が慣れた手つきで試し捺しをすると、まあ、キュート! カエルの口の中にアタシの苗字がクッキリと映し出されたのです。「自分で捺してみますか?」と言われハンコを受け取り、優しく朱肉を付け、透明になっている上部から覗き込みながら捺せば、はい、曲がることなく真っ直ぐな印影が現れました。
500円から作れるハンコの自販機がある?
普段は宅配便の受け取りに朱肉の要らないシヤチハタ(浸透印というらしい)を使っているけど、明日からはこのハンコを捺したい気分。今回は無料で体験させてもらいましたが、1000円ぐらいならまた作ってみたいかも。
でもいちいち朱肉を付けるのが面倒なので、できれば浸透印タイプでこんなオリジナルハンコが作れるとなお嬉しいな。
そしてあまりに楽しかったので、どこかでオリジナルハンコが作れないかとインターネットで調べたら、なんとなんとオリジナルハンコの自動販売機があるのを発見してしまいました。
ショッピングセンターやディスカウントストアに設置されているらしく、最安値だと500円で作れるそうなのです。今度時間のある時に作りに行って、先日結婚した友人にプレゼントしてみようかな。
それよりこの自販機、もっとソフトを開発して、ローマ字で入力した名前に漢字を当て込めるようにしたらハンコ文化がない欧米人向けのお土産にいいかも。そうそう、空港で小銭を使い切らせるためにガチャガチャが置かれてるみたいに並べて設置したら儲かるかも? と、またしても金儲けを目論んでしまったのでした。